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よくあるご質問
シリコーンゴムとは
シリコーンゴムは加硫形態により熱加硫型シリコーンゴム(HVR)と室温硬化型シリコーンゴム(RTV)がありますが、室温硬化型シリコーンゴムは、接着剤、ポッティッング、シーリング材としての用途が主で、単にシリコーンゴムという場合は、前者の熱加硫型シリコーンゴムを指すことが多いようです。(弊社で扱う製品の大半はこの熱加硫型シリコーンゴムです。)シリコーンゴムは更にコンパウンドの粘性状態によりミラブル形シリコーンゴムと液状シリコーンゴムに大別され、JISの定義では以下のようになってます。
ミラブル形シリコーンゴム
シリコーンゴムコンパウンドのうちで、硬化前の状態が天然ゴム又は通常の合成ゴムの未加硫配合
ゴムに類似し、練りロール機、密閉式混合機などで可塑化・混合を行なうことが出来るものの総称。
液状シリコーンゴム
シリコーンゴムコンパウンドのうちで、硬化前の状態が液状又はペースト状のものの総称。
シリコーンゴムの主原料であるシリコーンポリマー(高重合度ポリオルガノシロキサン)は以下のような分子構造になっています。
これに、シリカなどの補強充填剤、シリコーンオイルなどの可塑剤、様々な添加剤と加硫剤を加え、加熱硬化させたものがシリコーンゴムになります。
シリコーンゴムの種類は?
シリコーンゴムの種類は、充填剤や添加剤の違いにより様々ありますが、基本的にはベースであるシリコーンポリマーの測鎖の種類によって、4種類に分かれます。メチルシリコーンゴムは加硫剤が限られ、スポンジなどの特殊用途以外は用いられません。ビニルメチルシリコーンゴムは最も用いられるシリコーンゴムで、単にシリコーンゴムという場合はビニルメチルシリコーンゴムです。フェニルメチルシリコーンゴムは耐寒性に優れるため低温用途として多く用いられます。フロロシリコーンゴムは、フッ素ゴム並の耐油、耐溶剤性に優れます。
種類 | 略号 | 弊社材料名 |
---|---|---|
メチルシリコーンゴム | MQ | - |
ビニルメチルシリコーンゴム | VMQ | 7AV、7BN、7CCなど |
フェニルメチルシリコーンゴム | PMQ | 5DG |
フロロシリコーンゴム | FVMQ | 5LV、6LVなど |
シリコーンゴムの特徴は?
シリコーンゴムの一番の特長は、他の有機合成ゴムに比べ耐熱性が良いことです。シリコーンゴムの分子構造は主鎖部がシロキサン結合と呼ばれるシリコン原子と酸素原子が交互に並ぶSi-Oの構造になっていますが、一般の有機合成ゴムの炭素結合C-Cに比べると原子結合エネルギーが高いため、熱による結合が壊れにくく、耐熱性に優れる要因となっています。
種類 | 結合 | 結合エネルギー |
---|---|---|
シリコーンゴム | -Si-O- | 108Kcal/mol |
有機合成ゴム | -C-C- | 82.6Kcal/mol |
シリコーンゴムの耐熱使用温度は一般的に~250℃と言われています。また、温度による特性の変化が少ないため常温では有機合成ゴムの物理強度は優れていますが、150℃以上の高温ではシリコーンゴムの方が優れた特性を示します。耐熱性の他に耐寒性に優れるのもシリコーンゴムの特長です。通常のシリコーンゴムでもぜい化温度は-70℃~-80℃でゴム弾性体温度は-40℃~-55℃ですが、シリコーンポリマーの測鎖にフェニル基を有したフェニルシリコーンゴムでは、ぜい化温度は-115℃、ゴム弾性体温度は-90℃で非常に耐寒性に優れた特性を示します。
シリコーンゴムは有機合成ゴムに比べると、分子中の炭素原子が少なく、温度、周波数の影響が少ないため電気特性に優れているのも特長です。分子構造がマイカ板などの構造と良く似た無機物的構造であるため、耐オゾン、耐コロナ性にも優れています。他にも、圧縮永久歪みが良い、ガス透過性に優れるなど、様々な特長があります。
また、フロロシリコーンなど、耐油、耐ガソリン性に優れるグレードや、様々な高機能材料を充填することにより、導電性や熱伝導性、難燃性を有するタイプのシリコーンゴムもあり、非常にバラエティに富んでいます。
シリコーンゴムの成形方法は?
シリコーンゴムは一般の有機合成ゴムと同じく、プレス、押出し、カレンダー成形などによって加工されます。
プレス成形
プレス成形には金型構造の違いにより圧縮(コンプレッション)成形とトランスファー成形があります。
例) チェックバルブ、サーコンケース、Mモールドなど
押出し成形
押出機による連続加工の成形方法です。 チューブ、ロッドなど連続形状の製品に用いられます。
例) チューブ、テープ、Eモールドなど
カレンダー成形
カレンダーロールを用い、幅広の長尺シートなどの成形に用います。
例) シート2FI、シート3EWなど
コーティング成形
溶剤で溶かしたシリコーンゴムを、コーティング装置を用いてガラスクロスなどの基材へ塗工する方法です。
例) サーコンGTR,サーコンGHRなど
圧延成形
液状シリコーンゴムなどを専用の圧延装置でシート加工する方法です。
例) サーコンGRなど
その他
インジェクション成形、巻きむし成形などがあります。
シリコーンゴムの二次加硫って?
シリコーンゴムはプレス、押出しなどの成形後にオーブンによる二次加硫(再加熱)をすることが一般的です。
その主な理由は次の2点です。
- 熱履歴を与えることによりシリコーンゴムの特性を熱安定化させる。
- 過酸化物タイプの加硫の場合、分解残渣が残るため、加熱除去する。
シリコーンゴムの試験方法は?
シリコーンゴムは通常はJIS K6249の「未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法」に準じて試験を行ないます。
試験の項目は下記の通りですが、全てを試験するわけでなく、目的・用途などに応じて、幾つかの項目を選択して測定を行ないます。
未硬化シリコーンゴムの試験 | 硬化シリコーンゴムの試験 |
---|---|
粘度試験、可塑度試験、硬化性試験、 タックフリー試験、線収縮率試験 |
比重、硬さ試験、針入度試験、引張試験、引裂試験、永久ひずみ試験、耐熱試験、浸せき試験、 引張りせん断接着強さ試験、体積抵抗率試験、絶縁破壊試験、誘電正接及び比誘電率試験 |
サーコンって何?
「サーコン」は、富士高分子工業(株)の登録商標です。
サーコンは、耐熱性や電気絶縁性といったシリコーンゴム特有の諸特性にすぐれた熱伝導性と難燃性をプラスしたまったく新しいタイプのシリコーンゴム製品です。主な用途は、トランジスタやICなどの半導体をはじめ各種のヒーター、温度センサなどの電子部品電気絶縁、放熱・伝熱スペーサーとして使われています。
サーコンは弾性体で密着性、クッション性に富み、また従来のマイカ板のようにグリースを塗布する必要が無く作業行程が大幅に簡略化できるなど、他の絶縁材料には見られない数多くのメリットを備え、今日のエレクトロニクス分野には不可欠な電子材料となっています。
サーコンGRシリーズとは?
サーコンにはシリコーンゴムをベースとしたゴムタイプの他に、シリコーンゲルをベースとしたGRシリーズがあります。
シリコーンゲルをベースとしているため、非常に低硬度でクッション性が良く、また、表面にゲル特有のタック性(粘着性)があるため、発熱体への密着性がとても良く、面実装のCPUなどには最適な伝熱スペーサーとしてご利用頂けます。
このGRシリーズを含め、サーコンには様々な用途に合わせた熱伝導率、製品形態のラインナップがあります。
サーコンの熱伝導率・熱抵抗の測定方法は?
熱伝導率及び熱抵抗の測定方法は、弊社では下記の方法で測定をおこなっております。
項目 | 測定方法 | 規格 | 弊社社内標準 |
---|---|---|---|
熱伝導率 | ホットディスク法による熱伝導率測定方法 | ISO 22007-2 | FTM P-1612 |
熱線法による熱伝導率測定方法 | ASTM D2326準拠 | FTM P-1620 | |
熱抵抗 | TIM テスターによる熱抵抗測定方法 | ASTM D5470準拠 | FTM P-3050 |
ASTM D5470による熱抵抗測定 | ASTM D5470参考 | FATM P-3031 | |
ASTM D5470をベースにした弊社オリジナル測定方法 | ASTM D5470参考 | FTM P-3030 |
※FTM FTAMは「フジポリ標準試験方法」の略号です。
製品のネーミングは?
弊社の製品のネーミングは、一般的には下記のようになっております。(サーコンシリーズを除く)
材料記号については、下記のようになっております。